カルシウム不足 と アトピー・喘息・花粉症


骨をつくる栄養素として認識されている カルシウム

じつは、アトピー・喘息・花粉症などのアレルギー性疾患と大きな関係があります。


カルシウムは、細胞と細胞の情報伝達、神経伝達に不可欠な栄養素で、
脳を働かせ、筋肉を動かし、免疫細胞が行動するときに欠かせない働きをしています。


「心臓はカルシウムで動いている」 といわれるほど
私たちの体を動かす調整役をこなすミネラル、それがカルシウム。

では、カルシウムが不足するとなぜ、アレルギーが起りやすくなるのでしょうか?

 カルシウム不足 が 免疫の過剰反応を起こす原因


私たちの体を守るため、白血球軍団は日々パトロールし、敵が侵入するとただちに防衛行動を取ります。

白血球軍団は、マクローファージ、T細胞、B細胞、顆粒球、NK細胞 など
それぞれ役割分担しながら戦います。       (⇒免疫とアレルギー

パトロール隊、司令部、遊撃隊、突撃隊・・・
それぞれが情報を交換しながら、整然と行動して体を守るのです。

この情報交換に不可欠なのが カルシウム!


カルシウム不足'状態にあると、
免疫パトロール隊の情報が司令部にうまく届かない、
司令部(T細胞)から行動隊(B細胞)への情報伝達・指令が混乱する・・・など
免疫の誤作動・過剰の原因となり、
アレルギー反応を引き起こしやすい体質をつくってしまいます。



 カルシウムは 食事からしっかり取りましょう


食事からカルシウムをしっかり取っていない状態になると
骨からカルシウムを溶け出させ、血中に出して補います。

この時、血中カルシウム濃度が上がり、細胞にカルシウムを取りこむよう
脳から指令が出ます。

こうして細胞内にカルシウムがたまって行きます

アトピーなどアレルギー性疾患の人の細胞には、カルシウムが結晶化するほど細胞に取りこまれていますが
これは、カルシウムが多すぎるためではなく
カルシウムが食事から取られず、不足しているため
骨から溶け出したカルシウムが細胞にあふれている状態なのです。

こうなると細胞間の伝達はうまくいかなくなり、免疫の暴走が起りやすくなります。

また、細胞にカルシウムが飽和すると、
細胞が収縮してちじこまり、これが かゆみ・痛み をもたらします。

カルシウム不足は、アレルギー体質 を作り
アレルギー性疾患の 症状 ももたらすのです。

 ただし 牛乳 はNG


カルシウム! と言うと、「牛乳を飲まなきゃ!」 と考える方が多いと思いますが
牛乳は、多くの人にとってカルシウムを増やさず、
むしろカルシウム不足状態をつくってしまいます。
(とくに、乳糖不耐性の人が7割を超える日本人の場合は。)

牛乳のカルシウムは、体内吸収が早すぎ
血中カルシウム濃度が一気に上がるため、排泄されるか、細胞内に取り込まれてしまいます。

すると、細胞内カルシウムが多くなりすぎ、
細胞間伝達が出来ない状態となり、アレルギー体質をつくってしまうのです。

そして、一気に低下した血中のカルシウム濃度を戻すため
また骨からカルシウムが溶け出す・・・ 悪循環です。

食品は、そこに含まれている栄養素の量だけではなく
人間の体内に入った時に、どのような働きをするか まで見なければいけません。

牛乳は、子牛にとっては貴重なカルシウム源であっても
人間にとっては、そう働くわけではないのです。       (⇒牛乳について

 加工食品、レトルト食品 を 減らす!

カルシウム不足の原因の一つに、リン というミネラルの働きがあります。

リン そのものは糖の代謝を助けるなど 体に有用なミネラルなのですが
リンが過剰になりすぎると
カルシウムの摂取を阻害してしまいます。

リンは、加工食品などの添加物として多用されており
現代人は、あまりに多くリンを取りすぎている状態です。

もともとカルシウム摂取が不足傾向の日本人が
リンを加工食品から大量に取っていることで
カルシウム不足 ⇒ アレルギー体質 
がつくられているのです。

加工食品、レトルト食品、清涼飲料水 は減らしましょう。

下剤、利尿剤も NG


下剤、利尿剤を常用すると、カルシウムが排泄されてしまい、不足状態になります。

ダイエット薬の多くに 下剤や利尿剤が入っていますので注意が必要です。

 小魚・ひじき でカルシウムを取りましょう。


 カルシウムは、1日 1000mg は取るようにしましょう。

食べ物100g中のカルシウム
ウルメイワシの丸干し1400mg
煮干し2100mg
ひじき1400mg
田作り1400mg
干しえび2300mg
えびの佃煮1500mg
ごま1200mg
木綿豆腐120mg

小魚、えび、ひじき などにカルシウムは豊富です。

アレルギー体質の改善のため、ぜひ、たくさん食べてくださいね。

また、

  • ご飯、芋類(炭水化物) と一緒に食べると、カルシウムの吸収力が高まります。
  • ビタミンD が、カルシウムの吸収を促進します。
    • 青魚(サンマ、さば)、イカ、しらす干し、きのこ類にビタミンDは豊富です。
    • 日光に当たることで体内のビタミンDはつくられます。
       (外に出て、陽の光にあたることも大切です)


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