アトピー・喘息・花粉症の原因・・・ タンパクの過剰

アレルギーの原因の1つは 「タンパク過剰 」


食物によるアレルギーは、タンパク質によって起こります

通常、タンパク質は、「アミノ酸」に分解されてから 腸壁 から吸収され
体の中で必要なタンパク質に再合成されます。

では、タンパク質がアレルゲンになるってどういうことでしょうか?

大量のタンパク質が一度に腸に入って来ると、
消化能力をこえてしまって、アミノ酸まで分解されずに体の中に入ってしまうケースが出てきます。

そして、通常とは違う 異形のタンパク質 を、
腸で見張りを続けている 免疫細胞 が 「異物」 と認識すると、
抗原抗体反応が起こり、アレルギー反応が起るのです。

過剰なタンパク質 ⇒ 消化不良 ⇒ 腸壁通過 
によってアレルギーを起こす、ということです。

免疫細胞は、一度確認した 「異物」 を記憶し、
侵入するたびに追い出そうとします。
こうして普通の食べ物がアレルゲンとなり、アトピーになります。

「タンパクの取りすぎ」 は、アトピー・喘息・花粉症・鼻炎の原因の一つなのです。


では、日本人の「タンパク質」 摂取状況はどうなっているでしょうか?
下のグラフを見てください。

  タンパクの過剰摂取グラフ、アトピーと食事
                

これは、1日あたりのタンパク質の摂取量ですが、
どの年代も、必要量より過剰にタンパク質を取っていることがわかります。

平均では、約30%も過剰です。
現代日本人の食生活は、あまりに「高タンパク」 なのです。


 アトピー・喘息などの改善には、タンパク質を豊富な食材から取る



タンパク質は英語で「プロテイン」といいます。
「第一の」 という意味です。
タンパク質は、第1に大切な栄養ということです。

人間の体内の60兆個の 「細胞」 も、「酵素」 も「ホルモン」 も
タンパク質からできています。

ですから、タンパク質が不足すれば体に深刻な影響が出ます。

成長障害、脳の発達障害、無気力、体の活力低下、倦怠感などです。

ただ、「量」 の問題でいえば、
タンパク不足は発展途上国で深刻ですが、先進国ではまずありません。
 (途上国では、今でも子供たちがタンパク不足で、
  体や脳の成長が阻害され、小さな病気で命を落としています)

先進国でのタンパク問題は、「質」 です。

タンパク質の専門家は、先進国でも
「タンパクが足りている人はいない」といいます。

どういうことかというと、
タンパク質をつくる 「アミノ酸」 は、20種類あり、
そのうち9種類は、体内で合成できない(食べ物から取るしかない)「必須アミノ酸」 です。

話を単純化して説明すると、
たとえば、Aというアミノ酸が「1」しかなく、
他のアミノ酸が「10」あった場合、
タンパク質として合成できるのは、「1」 です。

つまり、「9」は無駄になり、排泄されます。

一口に「タンパク」 といいますが、それぞれの食品に含まれているアミノ酸は、
量も内容も様々です。

タンパク質は、いろいろな食材からバランス良く取ることが必要、ということです。

(ちなみに、人間が必要とするアミノ酸をすべてバランス良く含んでいる100点の食材は、
卵 と 「しじみ」、だけです。
サンマやイワシ、鶏肉などでは、90点くらいです。
ほかは、点数が低いと考えて、バランス良く食べるようにしてください。)

特に、「メチオニン」 というアミノ酸は、体内に入ると 「ヒスタミン」 濃度を下げる働きをします。
 (ヒスタミンは、抗原抗体反応で抗体がマスト細胞と結合したときに
                放出される「かゆみ」 などをもたらす化学物質です。)
メチオニンが不足するとアトピー性皮膚炎などの原因となりますから
きっちり取ることが必要です。

     《「メチオニン」 を多く含む食材 》
 ・しらす干し ・かつお節 ・のり ・湯葉 ・全粒小麦 

タンパクは、
魚、海藻類、納豆、味噌など、アトピー抑制効果を持つ食品を中心に上手に取食べてくださいね。
     (⇒ 「魚について」「味噌汁と納豆」 をご覧ください。)

アトピー・喘息などの克服は、タンパク質をキッチリ分解できる体づくりから

アトピー・喘息・花粉症などアレルギー性疾患を治すための、タンパク摂取で気をつけることは

  • タンパク質を、取りすぎない、
  • 動物性タンパクを減らす (特に肉)、
  • いろいろな食材からバランス良く取るようにする、
  • メチオニンを含む食材をきちんと食べる、

ということと同時に

  • タンパク質を、キッチリ分解できる体の力をつくる

ことが大切です。

タンパク質を分解するためには、ビタミンB6 がとても大切です。
ビタミン B6 は、タンパク質を分解し、体に必要なタンパク質に合成する酵素を助ける働きをします。

タンパク質1gに対して、ビタミン B6 は0.016mg 必要とされています。
ビタミン B6 をきちんと取るようにしましょう。
     (⇒詳しくは「ビタミンB6」のページをご覧ください。

もう1点、
タンパク質をきちんとアミノ酸に分解するためには、
胃でしっかりペプトンに分解しておく必要があります。

ストレス、過労、過食、アルコールなどは胃の状態を悪化させますが
それを修復するのが ビタミン U で、キャベツやレタスなどに多く含まれています。
キャベツを多く食べるようにしてください。
     (⇒詳しくは 「キャベツ」 「ビタミンU」 のページをご覧ください。)

次のページでは、
もう一つの、タンパク質の 「質」 の問題、
「動物性たんぱく質」 の過剰、についてご説明します。



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