遺伝 は、アレルギー体質の原因なのか?

 アトピー・喘息・花粉症・鼻炎の 遺伝 と 体質


アトピーや喘息・鼻炎など原因を知り、治すためには
私たちがよく聞かされている 従来型の説明=アトピーの3要素について
きちんと検討する必要があります。

【従来のアトピー・アレルギーの3要素】

原因 (アレルゲン) … 食物、薬物、ほこり、ダニ、など
誘引 (環境の悪化) … さまざまな環境の問題
素因 (遺伝) … 体質

まず、遺伝 について考えてみましょう。


 遺伝については考えてもムダ !


アトピーの従来型の説明は、以下の3つの要素です。

アトピー性皮膚炎の3要素

このなかで、考えたり心配したりしてもムダなのが、遺伝についてです

アトピーの解説本などに、
両親がアトピーの場合は50~75%、
片親のみアトピーの場合は25~30%が、
アトピー体質が遺伝する、といった解説があります。

ちょっとまってよ、言いたいですね。

ガンでも、
心臓病でも、
血管系の病気でも、

遺伝的要因があるのはみんな同じです。

たとえ、両親ともにガンになる人が多い家系であっても、
その子供がかならずガンになるわけではありません。

日常生活を通じたさまざまな負荷が積もり積もると、
ガンというかたちであらわれやすい、
という意味にすぎないのです。



わたしたちにはヒト白血球抗原(HLA)というものがあります。
腎臓や肝臓の移植手術の場合、HLAの一致が必要です。
(HLAが一致しないまま移植すれば、体は異物の侵入ととらえ、拒絶反応が起こります。)

このHLAは、数百種もあって、体質との関係が明らかになっています。
たとえば、B40…スギ花粉症、BW52…大腸炎、DR4…若年性糖尿病、といった具合です。

ただ、アレルギー(アトピー)に関係するHLAの型は全体の1%にも届きません。
一方で、アレルギーに関する疾病に悩む人は、約20%です。

つまり、アトピーを、遺伝が原因とするのは無理があるのです。

しかも、ある病気を発病しやすいとされるHLAの型を持っていても
必ずその病気になるわけではありません。

そして、アトピー性皮膚炎やぜんそく、花粉症などに悩む人は
年々増え続けています。

アトピーに関係するHLAを持つ人が増え続けているのでしょうか?

そんなバカなことが起こるはずがありません。

アトピーや喘息などは遺伝(体質)ではなく
がんなどと同じように、後天的な要因で起こっているのです。
(赤ちゃんや幼児の場合は、消化器官が未発達なため、
食べ物や有害物質の影響がすぐに出やすい、ということです。)



  なぜアトピーは、遺伝(体質)が原因とされるのか?


あるお母さんが 
「この子のアトピーは、遺伝だから」 とおっしゃっていました。
聞くと、お子さんのいとこ (このお母さんの兄弟の子供たち) 10人中6人が
アトピーだそうです。

10人中6人ですから、
アトピー性皮膚炎や喘息の有病率約2割に比べて多いですよね。
そういう意味では、遺伝的要素は確かにあります。

でも、そのお母さん自身も、
4人の兄弟もだれもアトピーではありませんし、
ご両親にも、祖父母にもアトピーの人はいないそうです。

これってどういうことでしょうか?

このお母さんの子供の代になって、いとこたちがそろって
遺伝子が変異したわけではありませんよね。

日本ではアトピーが、1970年代の後半くらいから急速に増えています。
60年代にはアトピーはほとんどゼロでした。

わずか40年くらいで日本の子供の2割が、
遺伝子の集団突然変異が起こるわけもありません。
しかもアトピーになる人は、年々増えています。

「遺伝」「体質」 と言ってしまえば、なかなか治らないのもしかたない、
ということにカンタンになります。

  • 「アトピーは遺伝、体質」
  • 「環境悪化などでアトピーの引き金になる要因は増え続けている」
  • 「一度アレルギーになると、体が一生記憶するので、治らない」

これが、今多く見られる説明です。

アトピーがなかなか治らない言い訳です。

はっきり言って、アトピーや喘息などは、
遺伝によって体質が先天的に決定している要素は
考えても無駄なほど小さい。

むしろ、食生活など、生活習慣からできてしまった後天的な体質の要因がほとんどです。

つまり、食事と生活を変えることで、
アトピーは必ず治る、ということです。

 生活習慣を変えることで、アトピーは治る!



いわゆる「途上国」にはアトピーはありません
近代化が進むにつれてアトピーが問題になってきます

また日本国内でみても、郡部より都市部でアトピーの有病率は高いのです。

アレルギー性皮膚炎発症率(厚労省2003)

大都市郡部
10~14歳21.9%15.5%
15~19歳16.1%11.6%

ここに、なぜアトピーが広がっているのか、
治すにはどうすればいいのか、ヒントがかくれています。

高度成長期を境にして、これまでの野菜と少量の魚を中心とした食生活は、
肉、牛乳、卵など動物性タンパクを中心としたものに大きく変化しました。

戦前に比べ、牛乳の摂取量は22倍、にもなっています。 (農林水産省調査)

から揚げ、とんかつなど油で揚げたものが多くなり、体に悪い油の摂取が増え、
ハンバーガー、カップめん、お菓子、インスタント食品が食を席巻する一方、

生野菜や漬物といった体のバランスを整える食事は激減しました。

石油から合成された化学物質が使われた
調味料や保存料などの添加物、シャンプー、リンス、洗剤、歯磨き粉・・・
(この中には人体に有害なものが多数あります)

また、リストラなど社会環境も変わり、ストレスが異常に増え、
子どもたちは外で太陽をあびて元気に遊ぶことも少なくなっています。

体に有害な物質や消化に悪いものが激増する一方、
さまざまな要因で代謝力は落ち、
体のバランスが崩れている・・・。

アトピーの原因は、ここにあるのではないでしょうか?

たしかに、同じようにハンバーガーや揚げ物、お菓子ばかりを食べても
アトピーになる子(人)と、ならない子(人)がいるでしょう。
それは、たしかに先天的要因が働いています。

ただ、体に悪く、それを食べ続ければいづれ、がんなど生活習慣病になるのは同じです。

アトピーとは、そうならないように体が警告している、とも言えるのです。

私たちは、アトピーを契機に
体の中から健康になる生活を取り戻すことが必要です。


「体の中から健康になる」、

それがアトピーを治す唯一の道なのです。


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