アトピーを治すために
原因 と 結果 の混同
アトピーは、必ず治ります。
そしてそのためには、アトピーの 「原因」 と 「結果」 を、
混同しないことが大切です。
たとえば、インフルエンザの場合、
ウイルスに感染したこと、が原因です。
そして、発熱やせき、頭痛などが、結果、つまり症状です。
ですから、インフルエンザを治すためには、
原因であるウイルスを体の中から駆除することが必要なわけです。
インフルエンザの症状である「発熱」は、
ウイルスを駆除するために
体が、自然治癒力の反応として起こすものです。
(ウイルスは高温で活性力が落ち、私たちの体の免疫力は高温で上がります。)
ですから、安易に「解熱剤」を服用してしまうと、
せっかく体温を上げることでウイルスをやっつけようとしているのに
それに逆行してウイルスは生き延びやすくなり、病気は長びきます。
(持病を持っていたり、高齢などで体力が落ちている場合は、
アセトアミノフェンなどマイルドな解熱剤で38度前後に解熱することが必要です)
「原因」ではなく、「結果」である「症状」を薬で抑え込もうとすることで、
逆に「原因」を悪化させる、ということです。
アトピーも同様に、「結果」に働きかけるのではなく、
「原因」を除去する(治す)ことが必要です。
「原因」と「結果」の混同が
アトピーを難治化しているのです。
では、アトピーの原因とは何でしょうか?
結果(症状) に働きかけるだけではダメ
アトピーの原因と結果(症状)をまとめると下図のようになります。
アトピーの原因は、
有害物質、食事の偏り、ストレスなどによる「アトピー体質」 にあります。
その結果が、
アトピー性皮膚炎であれば、「皮膚の炎症」「かゆみ」、ということです。
《原因》 アトピー体質 ⇒ 《結果・症状》 皮膚炎、かゆみ、です。
しかし、アトピー性皮膚炎の場合、
その治療法はステロイド外用薬が使われます。
これは皮膚炎、かゆみ、というアトピーの結果・症状を抑えるためのものであって
アトピーを治すものではありません。
しかもステロイドホルモンを強制的に外部から体内に注入するわけですから
長期間使えば
ホルモンバランス、自律神経バランスを崩し、
ますますアトピー体質を強めてしまいます。
インフルエンザでの「解熱剤」と同じ、マイナスの効果をもたらすということになるのです。
しかもアトピーの場合、インフルエンザのように何日かで治る病気ではなく
体質化してることが原因であるため
ステロイド外用薬使用は安易に長期になりがちです。
この場合、アトピー性皮膚炎は決定的に難治化し、
ステロイド離脱には耐えがたい反動作用が現れます。
結果・症状である「皮膚炎」「かゆみ」を抑えるために副作用の強い薬を使い、
アトピー体質が悪化し、皮膚炎が広がり、治すことが困難になるのであれば
何のための治療なのか、ということになるのです。
(ただし、ステロイドを絶対使うべきでない、という意味ではありません。
基礎体力の落ちている人がインフルエンザにかかって高熱が発している場合、
マイルドな解熱剤で38度程度に解熱することが必要なように、
アトピーでも重度の症状が出ている場合は、症状の緩和は必要になります。
問題は、対処療法でだらだらステロイドを使い、安易に長期化することです。
ステロイドは短期で使い、アトピー体質の改善を行う、ということです。)
必要なことは
「アトピー体質を治す」ことです。
アトピーは、自然治癒力を引き上げて治す!
繰り返しになりますが
アトピー・ぜんそく・花粉症などを治す、とは
「アトピー体質を治す」ということです。
ここでご注意いただきたいのは、
アトピーの「体質」とは、
先天的な「遺伝性」体質のことではない、
ということです。
アトピー体質は、後天的に、生活習慣の中で
つくられてしまった体質です。
食のかたより、有害物質、さまざまなストレスなどで
自律神経バランスが崩れ、体内ホルモンがかたより、過酸化脂質が難膜を荒らし、
腸内環境が悪化してしまい、
その結果、免疫機能の誤作動や過剰反応が起こるようになってしまった、
ということです。
突然、大豆や卵にアレルギー反応が出始めるわけではないのです。
人によって様々な要因で、体の中からの健康力=自然治癒力、が弱体化して
アトピーになる、ということです。
ですから、アトピーを治す、とは
「体の中からの健康力」を取り戻す、ということです。
「体の中からの健康力」を取り戻すのに、
体のある機能を押さえつけるための薬は不要です。
体のバランスを整え、機能をアップしなければいけないのです。
そして、アトピーの原因はなんらかの病原菌ではなく、
生活習慣からつくられた体質、なのですから
食事や生活パターンなどいろいろな見直しが必要です。
単純に、
元気になることが、アトピーを治すこと
と言っていいと思います。
そして、それを実行していけばアトピーを治すだけでなく
将来、がんなど生活習慣病に陥らない
元気で長生き、の体質になって行けます。
体質を変えるのですから時間はかかります。
でも、一歩一歩確実にアトピーは治っていきます。
アトピーは、わたしたちに
こんな体に悪いものばかりを食べてちゃだめだ、
こんなにストレスの多い、不規則な生活ではだめだ、
という警告をしているのかもしれません。
*次のページで、遺伝についてご紹介します。