ストレス と アトピー・喘息・花粉症・鼻炎
アトピー・喘息・花粉症 の 悪化要因 ・・・ ストレス
「ストレス」 が続くと、アトピーやぜんそくの症状が悪化することは
経験して理解している方も多いと思います。
では、アトピーとストレスの関係は?
なぜ、ストレスがアトピーを悪化させるのでしょうか?
ストレスが悪化させる臓器とは?
今から70年以上も前の1936年、
カナダのセリエ博士がストレスに関する重大な発見を発表しました。
ストレスが続くと
① 副腎皮質 が 肥大する。
② 胸腺 や 脾臓 が 萎縮する。
③ 胃 や 十二指腸 で 出血・潰瘍がおこる。
(「セリエの一般適応症候群」『ストレス状態』)
ストレスが続くと、胃炎や胃潰瘍になることは良く知られています。
重要なのは、副腎の肥大 や 胸腺の萎縮 で、
これがアトピーなどのアレルギー性疾患を悪化させる要因になるのです。
副腎皮質の肥大 という大問題
副腎皮質は、肝臓の上にある、わずか8gくらいの副腎という臓器の外皮部分です。
副腎皮質 ホルモンって聞いたことがあると思います。
いわゆる 「ステロイドホルモン」 のことで、
タンパク質からブドウ糖をつくる働きなどを担っています。
私たちの体は、ストレスがかかると、
それに対抗するためのエネルギー (ブドウ糖) が必要になります。
そこで私たちがストレス下に置かれると副腎皮質 ホルモン が分泌されて、
筋肉などのタンパク質をアミノ酸に分解して肝臓に送り、
肝臓で、アミノ酸を ブドウ糖 に変えて エネルギーをつくります。
ストレス ⇒ 副腎皮質ホルモン ⇒ ブドウ糖生成 ⇒ エネルギー
という流れでストレスに対処するわけです。
つまり、過剰なストレスが続くと、副腎皮質に負担がかかりすぎる状態となり、
その結果、副腎皮質が疲弊してしまい、肥大する ということです。
副腎皮質の 疲弊 は、なにをもたらすでしょう?
⇒ 副腎皮質 ホルモン の 不足 です。
副腎皮質 ホルモン は、
免疫 の過剰な働きを抑えたり、炎症 を鎮めたり という働きをします。
つまり、「副腎皮質 ホルモン の 不足」 によって、
「免疫の過剰」 が抑えられなくなり、
「炎症」 や 「ぜん息」 が抑えられなくなったりするのです。
胸腺の萎縮 が意味するもの
ストレスがかかり、副腎皮質ホルモンが分泌されると
このホルモンの働きで胸腺からタンパク質が引き出されてしまい、
胸腺 が萎縮してしまいます。
これも、アトピー・喘息・花粉症・鼻炎と深く関係します。
胸腺 って、あまり聞いたことがないかもしれません。
心臓の上にある、10~40gくらいの臓器です。
胸腺では、T細胞がつくられ、免疫 の訓練が行われています。
胸腺の機能が低下すると、
T細胞がつくられず、B細胞が増えてしまうのです。
(胸腺に入らなかったリンパ球は、B細胞になります。)
(B細胞は、抗体をつくる、ミサイル発射部隊です。
アトピー・ぜんそく・花粉症の原因の一つである、IgE抗体の過剰につながります。
(⇒「免疫とアレルギー」をご覧ください。)
また、胸腺は、T細胞を、免疫部隊の司令官として訓練する場所ですので、
胸腺の委縮は、免疫がコントロールされた防衛システムとしての機能を
低下させてしまう、ことになります。
ストレスが、胸腺を弱体化し、
免疫の異常・誤作動をおこしやすくなるのです。
ストレスを上手にコントロールして、アトピーを治しましょう
さらにストレスは、自律神経を 「交感神経」過多 にして、
これもアトピー・ぜんそく・花粉症などの原因となります。
(⇒「自律神経とアトピー」をご覧ください。)
ストレスは、アトピーの大敵なのです。
ただ、一定のストレスは避けることはできませんし、
ストレスがなければ、体は正常に機能しなくなり、バランスを失います。
ですから、ストレスは、
上手に逃がす、コントロールする ことが必要です。
(⇒「生活の見直し」をご覧ください。)
過労、睡眠不足、不規則な生活 はなるべく避け、
心理的なストレスは、楽観的に考える、笑いを多くする、音楽などを聴きリラックスする
などで、副腎への負担は大きく変わってきます。
ビタミンC や マグネシウム などの栄養素も不可欠です。
パントテン 酸は、副腎皮質 ホルモンの生成を促す、抗ストレスのビタミンです。
ぜひ、きちんと取ってください。
(⇒「ビタミン・ミネラル①」「パントテン酸」をご覧ください。)
そして、子供の成長期には、ある程度の 「身体的ストレス」 を受けることは、
副腎や 心臓、肝臓 などを鍛え、成長させるためになくてはならないものです。
アトピーを治すには、バランスが大切、ということになります。
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