脂肪酸の代謝力アップで、アトピーを治す
アトピー・喘息の人は、脂肪がきちんと代謝・変換されていない場合が多く、
そのために 「局所ホルモン」 がバランスを失って
それがアレルギー性疾患の原因になっています。
なぜ、脂肪の代謝・変換が行われないのでしょうか?
第1の理由は、
「デルタ6-脱飽和酵素」 というのが、きちんと働いていないことにあります。
なぜ働いていないかについては、2つのことが考えられます。
(1) ビタミンC、B6、亜鉛、マグネシウム などの不足。
(2) 生活習慣、食習慣、などによる阻害作用。
このうちのどれか、または複数の要因が重なって脂肪酸の代謝力が低下しているのです。
つまり、次のことをすることで、かなりの改善が見込めます。
- 必要なビタミン・ミネラルをきちんと取る。
- 阻害要因となる、生活習慣・食習慣を見直す。
ビタミンC、ビタミンB6、マグネシウム、亜鉛 をきちんと取る
《 ビタミンC 》
野菜、果物、芋類などから
食事でまずきっちり取るようにして下さい。
・たばこを吸う
・睡眠時間が短い
・ストレスが多い
・インスタント食品が多い
・アルコール摂取量が多い
・肉体労働が多い
などの場合は、ビタミンCが不足しがちですので、
サプリメントで補給してください。
★ビタミンCは水溶性ですので、
3~4時間くらいで排泄されます。
★サプリメントを飲む場合は何回かに分けて、
1000~2000mgは取るようにしてください。
● 基本的に過剰症はありません。
1日に50000mg=50g という極端な取り方をした場合に
ガンなどの原因になるという報告がありますが、
こんなムチャな飲み方をする人はまずいないでしょう。
● アトピーの人の場合、腸壁が弱っている場合が多く
サプリメントでの摂取で下痢を起こす場合があります。
500mgくらいから始めて体調を見ながら摂取してください。
● アトピーの場合、ビタミンCは多めに必要になりますので、
下痢などの症状がなければ3000~4000mg取ってください。
ビタミンB6
抗アレルギー効果のあるビタミンB6は、非常に重要なビタミンの一つです。
欠乏はアトピー性皮膚炎、喘息、花粉症の悪化をまねきます。
★ 特に小児喘息を抑制する効果を持っています。
ビタミンB6が多い食品は、まず魚介類があげられます。
EPA、DHA を取るのと一石2丁ですので魚をしっかり食べてください。
(サンマ、カツオ、マグロ、サケ、イワシ、アジ など)
(他では、全粒小麦、バナナ、赤ピーマン、アボガド など)
● ビタミンB6は、水溶性ビタミンですのでサプリメントでもOKです。
(1日以内で排泄されますので上限値はありませんが、1000mgを超える摂取を一度にすると
神経系の疾患が起きる場合があります。
サプリメントのムチャ飲みはやめてください。)
亜 鉛
代謝にかかわる非常に重要なミネラルです。
脂肪酸の代謝を促進してアレルギー症状を緩和するのに不可欠です。
また、傷ついた腸壁、肌、気管支粘膜 を修復するためにも必須です。
多く含まれる食材は、
★魚介類 … かき (非常に多く含まれています)、かずのこ、しらす干し、煮干し など
★その他 … 緑茶、抹茶、のり、わかめ、ひじき、カシューナッツ、アーモンド などです。
● 通常の食事では過剰症の心配はありませんが
サプリメントなどで一度に2000mg以上の大量摂取をすると急性中毒を起こします。
マグネシウム
300種類以上の酵素(こうそ)の働きを助け、全身のありとあらゆる代謝に関与しています。
欠乏すると、血圧・体温・免疫などの調整ができなくなり、体内のアンバランス、活力低下が起こります。
脂肪の代謝にも不可欠で、マグネシウム欠乏は「局所ホルモン」バランスを崩壊させてアトピー性皮膚炎・喘息を引き起こす原因となります。
多く含まれる食材は、
★魚介類、海藻類 … ひじき、煮干し、こんぶ、ワカメ、いわし、カツオ など
★豆類、果実類 … アーモンド、ごま、落花生、大豆、納豆 など
★その他 … 緑茶、抹茶、ココア、コーヒー など
● 過剰に取った場合は、腸管で吸収量が調節されます。
アトピーを治す、食事、生活習慣の見直し
「脂肪酸」 を体内でうまく代謝できないと、
アトピーになります。
(⇒「代謝されない脂肪」をご覧ください)
改善するためには、上記のビタミン・ミネラルをきちんと取ることと、
「阻害要因」 となっている 食習慣 や 生活習慣 の見直しが必要です。
トランス脂肪酸 を取らない
マーガリン、ショートニング(販売食品調理用の油)、リノール酸の油 などに含まれている、
自然界にほとんど存在しない油が 「トランス脂肪酸」 です。
この 「トランス脂肪酸」 が、
脂肪の代謝を阻害して、アトピー・喘息を起こします。
- マーガリンは食べない
- 外食で、油ものは食べない
- 油を使った加工食品は食べない
(ポテトチップス、フライドポテトなど) - 古い油を使わない
ことを徹底することが必要です。
(⇒「マーガリン」 をご覧ください)
アルコール の飲みすぎをやめる
アルコールの血中濃度が上がると、マグネシウムが尿と一緒に排泄されます。
また、亜鉛 が消耗し、亜鉛不足をもたらします。
飲みすぎは控え、
お酒を飲むときは、上記のマグネシウム・亜鉛を多く含む食材をきちんと取るようにしてください。
加工食品・調味料 を極力減らす
加工食品の品質調整剤(ポリリン酸、カルボキシメチルセルロースなど)は、
体内から 亜鉛 を奪い、排泄してしまいます。
調味料のフィチン酸、重合リン酸も亜鉛欠乏をもたらします。
- 加工食品ばかりを食べる食生活は、見直す。
- 化学調味料は、なるべく控える。
- 味噌汁のだしは、煮干し、こんぶなどで取る。
(亜鉛、マグネシウムが豊富です。) - インスタントだしはさける。
その他
★ストレスが続くと、ビタミンC、マグネシウム が不足して行きます。
★甘いもの、清涼飲料水 などは、マグネシウム欠乏をもたらします。
★肉の脂 (飽和脂肪酸) は、マグネシウムを消耗させるなど、脂肪酸代謝を阻害します。
たくさんあって大変ですが、ここはアトピーを治すために非常に重要ですので
ぜひ気をつけてくださいね。
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