ビタミンB6
小児喘息などアレルギー性疾患に有効
ビタミンB6は、免疫を正常化し、
小児ぜんそくの発作を防ぐなどの効果が、最近の研究で明らかにされています。
アトピー性皮膚炎、ぜん息、花粉症、アレルギー性鼻炎などのアレルギー性疾患には
不可欠のビタミンです。
また、アレルギー性疾患の方の多くが、ビタミンB6が不足している状態にあると言われています。
アトピー性皮膚炎 や ぜん息 を抑制するホルモン (細胞でつくられる局所ホルモン)
を体の中でつくる上で、ビタミンB6は欠かせませんので、
ぜひ積極的に取るようにしましょう。
タンパク質の分解と再合成
私たちが、タンパク質を接種するとアミノ酸に分解され
必要に応じて、必要なたんぱく質に再合成されます。
ビタミンB6は、この時に不可欠の働きをします。
タンパク質の摂取が過剰で、それがアトピーなどアレルギー性疾患の原因の一つになっている現代日本人に必要な栄養素、と言えます。
(⇒詳細は「タンパクの取りすぎ」のページ)
ビタミンB6をしっかり取ることで
過剰なタンパク質はエネルギーとして使われ、
皮膚や髪をじょうぶにします。
皮膚や粘膜のトラブルを防ぐために
ビタミンB6が不足すると、目・鼻・口に湿疹ができたり
口内炎ができたりします。
月経前症候群やつわりを軽減、胎児の脳の発達を促進
月経前の、頭痛、肩こり、腰痛、イライラ、気分の落ち込みなどの月経前症候群は
30代の女性では50%に生じると言われています。
これは、月経前に女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が高まり
ビタミンB6が不足するためです。
ビタミンB6がをきちんと取ることで緩和されます。
また、妊娠の初期に起る 「つわり」 は、
トリプトファンというアミノ酸の代謝異常で起きますが
ビタミンB6がアミノ酸代謝をスムーズにして、つわりを和らげます。
さらに、ビタミンB6は脳神経の発達に重要ですので
おなかの赤ちゃんにも大切な栄養素です。
お酒をよく飲む人にも
お酒をよく飲む人は、肝臓に脂肪がたまり、脂肪肝・肝硬変・肝臓がんになりやすくなります。
ビタミンB6は、脂肪の代謝を助ける働きをしますので
肝脂肪などを防いでくれます。
抗生物質を常用している方は不足しがちです
抗生物質を常用している場合、腸内細菌バランスが乱れて
体内でのビタミンB6の産出が激減し、不足します。
食べ物またはサプリメントでしっかり取るようにしてください。
(医師の判断で必要な場合以外は、抗生物質は、やたらと飲まないことが必要です。)
ピルを常用している方も、ホルモンの関係からビタミンB6が不足しますので
きちんと取るようにしてください。
不足すると以下のような症状が現れます。
《 ビタミンB6 の欠乏 がもたらすもの 》 ・不眠 ・神経過敏 ・リウマチ ・脂肪肝 ・関節炎 ・うつ病 ・皮膚炎 ・口内炎 ・虫歯 ・貧血 ・生理不順 など
ビタミンB6は、神経伝達物質の産生にも関係していますので
不足すると、不眠症・うつ病になることがあります。
かつお、マグロ、さんま に豊富
ビタミンB6は、かつお、マグロ、さんま に豊富に含まれていますので
かつおやマグロの刺身などで、食事からキチンの取るようにしてください。
《 ビタミンB6 》
分類 | 水溶性ビタミン |
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アトピーとの関係 | ・ アトピー抑制の作用をする「EPA」「プロスタグランジンE1、E3」 「γリノレン酸」 などの体内合成に必要なビタミン。 ・ 「小児喘息の発作を抑制」 する効果がある。 ★アトピー性皮膚炎、喘息、花粉症の改善効果 |
機能 | ・ タンパク質の分解・合成 ・ 脂質の代謝 ・ 神経伝達物質の生成 ・ 卵胞ホルモンの代謝→月経前症候群の緩和 ・ 胎児の脳神経系の発達促進 ・つわり の軽減 |
不足すると? | ★アトピーなどアレルギー性疾患 ・肌荒れ ・口内炎 ・不眠症 ・うつ病 ・肝臓がん ・脂肪肝 |
不足要因 | ・ 抗生物質や経口避妊薬の長期服用 ・妊婦 |
こんな人に オススメ | ・ アトピー性皮膚炎、喘息、花粉症などの人 ・ 発育期の子供 ・肌荒れの人 ・口内炎の人 ・ 妊婦 ・月経前過緊張の人 |
多く含まれる 食材 | サンマ、カツオ、マグロ、サケ、イワシ、アジ、サンマ 全粒小麦、バナナ、赤ピーマン、アボガド |
過剰症 | 特になし (サプリメントで取る場合は、下の注意を見てください) |
【 注意点 】
ビタミンB6は、ビタミンB2やナイアシンなど、ビタミンB群と協力して働きます。
また、ビタミンB6だけをサプリメントで1日200mg以上大量にとると
神経系の障害が起きることがまれにあります。
サプリメントで取る場合は、
ビタミンB6単独のものではなく、
総合ビタミン剤 や ビタミンB群のサプリメントにしてください。