油を変えて、アトピーを治す

アトピー・喘息・花粉症の大原因、 油

油 (脂肪)  が、アトピーの大きな原因って、ご存じでしょうか?

私たちの使っている油は、昔ながらの「圧搾」方式でつくられているわけではありません。
化学溶剤を大量に投入して高温で撹拌して抽出しています。

この新しい大量生産のための抽出方法が 「油」 にゆがみをもたらし、
アトピーの原因となっています。

一つは、 「リノール酸」 油の過剰 、
もう一つは、 「トランス脂肪酸」 という自然界にほとんど存在しない油の混入、です。

どちらもあまり聞いたことがないかもしれません。

まず、「リノール酸」 の過剰、がアトピーを引き起こしていることについて説明したいと思います。

 油がもたらすアトピー

 

アトピーと油の関係

まず、油(脂肪酸) について説明します。

食用油は、脂肪酸の種類によって3つに分類されます。
αリノレン酸、 リノール酸、 オレイン酸、の3つです。

オメガ3、 オメガ6、 オメガ9 と分類したほうが正確です。

ある油を取るとアトピーは促進され、
ある油を取るとアトピーは抑制されます。



リノール酸」 は、アトピーを促進する



まず、オメガ6 の リノール酸 です。

リノール酸は、体内でアラキドン酸という物質に変わるのですが、
このアラキドン酸はさらに、プロスタグランジンというアトピー症状やアレルギー反応を促進させるホルモン物質をつくります。

つまり、
リノール酸はアトピーを促進する油なのです。

リノール酸の油は、
べに花油(サフラワー油)、ひまわり油(サンフラー油)、コーン油、サラダ油、大豆油、ごま油 です。


「αリノレン酸」 は、アトピーを抑制する



次に、オメガ3 の、αリノレン酸 です。

αリノレン酸は、体内で、アトピー性皮膚炎や喘息などを抑制するホルモン物質をつくります。

つまり、αリノレン酸は、アトピーの抑制作用がある、ということです。

ただし、非常に酸化しやすいため、調理油としては使えません。

αリノレン酸の油は、
しそ油、えごま油、あまに油(亜麻仁油)、菜種油(キャノーラ油) の順で多く含まれます。

魚の脂肪(油) も、αリノレン酸系 (DHA、EPA) です。


「オレイン酸」 は、アトピーに中立



オレイン酸は、免疫系に関係する物質を生成しません。
つまり、アトピー(アトピー性皮膚炎、ぜんそく、花粉症)には中立、ということです。

もっとも酸化しにくい性質で、調理用に向きます。

オレイン酸の代表的油は、オリーブオイルです。


下に3つの脂肪酸(油)の特徴を表にします。

脂肪酸アトピーに
対して
主な油特徴・効果・弊害
αリノレン酸しそ油、あまに油、魚油アトピー抑制、脳の活性化
低コレステロール化
動脈硬化・脳血栓などの予防
(酸化しやすい)
リノール酸×サラダ油、
べに花油(サフラワー油)、
ひまわり油(サンフラー油)、
大豆油
アトピー性皮膚炎、花粉症、
ぜんそく、がん、動脈硬化、
心不全、免疫性疾患
オレイン酸オリーブ油悪玉コレステロールを減らす、
動脈硬化予防、
がん予防
(酸化しにくいため、調理向き)


 日本人は、リノール酸を取りすぎている



リノール酸は、アトピー(アトピー性皮膚炎、花粉症、ぜんそく)を促進したり、
がん、動脈硬化、脳血栓、心不全など様々な弊害をもたらします。

にもかかわらず、
リノール酸の摂取量は、欧米諸国にくらべて、突出して多くなっています。(世界一です)

日本人のリノール酸摂取量は、必要量の6倍です。

高度成長期から、リノール酸摂取は2倍以上に増えています。

原因は、リノール酸が体内で組成できない「必須脂肪酸」であり、「体にいい」という
間違った認識が定着してしまっためだと考えられます。

現在、日本脂質栄養学会は
リノール酸の取りすぎを改めるよう」提言を行っています。

アトピーを治すためには、リノール酸を減らし、αリノレン酸を増やす
ことが必要です。


 アトピーを治す、油の取り方


《αリノレン酸》

  • αリノレン酸は、アトピー抑制効果を持っていますが、
    酸化しやすいため、調理用には使えません。
  • 野菜 や 果物、青魚、海藻類 などで食べて取り入れる、ことが必要です。
      (特に冬野菜に豊富に含まれています。)
《αリノレン酸が多く含まれる食べ物》
・かぼちゃ ・ねぎ ・ピーマン ・トマト ・ほうれん草 ・大豆 ・青魚
・えごま ・しそ ・白菜 ・キャベツ ・大根 ・味噌 ・果物 ・海藻類
  • しそ油、あまに油(亜麻仁油)、エゴマ油は、
    αリノレン酸の油で、アトピー抑制効果を持ちます。
    ドレッシングで使うこともできます。…しそドレッシングなど。
     (この場合、冷蔵庫で保存し、開栓後3ヶ月以内に使ってください)
    また、納豆に加える、味噌汁に入れる、
        亜麻仁油で自家製マヨネーズをつくるなど、ぜひ工夫してください。
  • 日本人のリノール酸・αリノレン酸の摂取比率は、1:10 ~ 1:50 と言われています。

    異常なアンバランスです。
    基本的には 1:1~1:3 の範囲にあるべきであり、そうしていく必要があります。
    αリノレン酸を積極的に取り、リノール酸を極力取らなようにしても
    リノール酸は体に蓄積されているため、体質改善には1~2年かかります。
  • 「しそ油」などのサプリメント、
    同じαリノレン酸系(オメガ3)の、DHA、EPAサプリメント
    を飲んで、より積極的に取ることをお勧めします。

《オレイン酸》

  • 調理用油は、オリーブオイルを使います。
    (酸化しにくく、アトピー性疾患に中立です。)
  • ただ、オリーブオイルでも
     「トランス脂肪酸」 という、アトピー性皮膚炎や喘息を悪化させる油が発生しますので
      (リノール酸の油よりは少ないですが)
    揚げ物、天ぷらなどは控え、油はなるべく少なめに使うことが必要です。

《リノール酸》

  • リノール酸は、必須脂肪酸ですが、通常の食事で不足になることはありません。
    それどころか必要量の6倍も取っているのです。
    アトピーを悪化させる リノール酸 の調理油は止めましょう。
    リノール酸は酸化しやすいため、
     1度天ぷらなどに使った油を使いまわすのは絶対避けてください)


赤ちゃんアトピー、乳児を持つお母さんへ



母乳に含まれる、脂質中のリノール酸含有率は、
日本…13%、ドイツ…9%、オーストラリア…8%、スウェーデン…8%
と日本のお母さんの母乳リノール酸含有率は高くなっています。

リノール酸の油は使わない、マーガリンは捨てる、ことを徹底してください。

また、粉ミルクは、リノール酸含有率が18%以上と、母乳よりも高いため、
なるべく母乳で育ててあげてください。

ただ、どうしても母乳が出ない場合は、
最近では、αリノレン酸を増やして、リノール酸を減らすなど
バランスを考えている粉ミルクもあります。
ちょっと大変ですが、販売窓口などに電話して成分を確かめるなどで
きちんと選んで赤ちゃんにあげてくださいね。

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