亜鉛とアトピー・喘息・花粉症

アトピーなどアレルギー性疾患の人に
亜鉛の要改善値(不足値)が出る人が多くみられます。 

これにははっきりした因果関係があります。

亜鉛不足とアレルギー


タンパク質の消化能力低下

亜鉛は、胃酸とプロテアーゼ(タンパク質の分解酵素)をつくるのに不可欠。
つまり、亜鉛が不足するとタンパク質の消化力が落ち、アミノ酸にまで十分に分化されず腸から吸収され、血液中に入り込みます。

免疫細胞はこの未分解タンパク質を異物の侵入とみなし、抗原抗体反応が起ります。
これが食物アレルギーの原因となり、免疫をTh2優位に傾かせアトピー・喘息体質となるのです。

活性酸素除去力低下

亜鉛は、活性酸素除去酵素(SOD)の重要な構成要素です。

体内で抗原抗体反応が起こると活性酸素が大量に発生し、炎症を起こします。
亜鉛が不足するとSODが不十分となり炎症化をおさえることが出来なくなります。

細胞再生力低下

亜鉛は、細胞の再生・新陳代謝に欠かせないミネラル。

不足すると、皮膚や粘膜細胞の再生力が落ち炎症を鎮めることが出来なくなります。

アトピーの体質化

脂質・糖質・タンパク質など100以上の代謝に補酵素として関与しています。

とくに、脂質代謝において亜鉛が不足すると
アトピーや喘息などを抑制するプロスタグランジン(局所ホルモン)が生成できなくなります。


亜鉛の不足要因


亜鉛は、牡蠣(かき)、アーモンド、ごま、煮干しなど
穀類・魚貝類・肉類に含まれていて、普通の食事で不足することは少ないとされています。

亜鉛不足は以下のような原因が考えられます。

  • アルコール大量消費
  • 無理なダイエット
  • タンパク質・脂質の取りすぎ
  • インスタント食品・加工食品の品質改良剤
  • 鉛、水銀、カドミウム、ヒ素などの有害物質
  • ストレス
  • 薬物の常用

こうしたことが原因で、亜鉛不足がおこっています。
ぜひ注意してくださいね。

亜鉛不足でアレルギーを悪化させないために


以前に、ダイエットしている若い女性の味覚障害が問題になりました。

原因は、亜鉛不足。

無理な食事制限や加工食品の多食は、亜鉛を不足させ
成長障害、性ホルモンバランスの乱れを起こします。

バランスのとれた食事がとても大切です。

また、授乳中、妊娠中にも亜鉛は不足しがちになりますので気をつけてください。

小さな子供が亜鉛不足になると、正常な成長が出来なくなります。

アトピー、喘息を改善するためにも亜鉛をはじめ
マグネシウム、カルシウムなどのミネラルは
きちんと取るよう気をつけましょう。

   《 亜鉛 の欠乏 がもたらすもの 》
【初期症状】
・慢性的疲れ   ・味覚障害   ・性能力減退   ・記憶力低下
・生理不順   ・脱毛   ・にきび   ・皮膚炎  など
【悪化症状】
・アレルギー性疾患  ・肺炎  ・貧血  ・糖尿病  ・痴呆 ・うつ  など

牡蠣(かき)に豊富

亜鉛は、かき (牡蠣) に豊富に含まれています。

小麦胚芽、 米ぬか、 玄米、 たらこ、 シジミ、 レバー、 しいたけ、 大豆、 納豆、 豆腐 など

手軽にとれる納豆や豆腐はおススメです。


亜鉛は通常の食事で過剰症になることはありません。
ただし一度に大量に取ると中毒症状が出ることがありますのでご注意ください。

【摂取基準】
男性 9mg
女性 7mg
子供 7~8mg

上記の基準は目安です。
実際には10~15mgの亜鉛が1日当たり必要です。
サプリメントで取る場合は、30mgを上限に取るようにしてください。

(食品から取るのが一番です。
 なぜなら、亜鉛は自然のビタミンとともに摂取するときに有効に働くからです。
 また、有機野菜にはより多くの亜鉛などのミネラルが含まれており、
 ミネラルの吸収を阻害する農薬がありません。出来るだけ有機野菜を食べたいものです。)

関連ページ

かき (牡蠣)
パントテン酸
ビタミンB2
ビタミンE