脂肪酸とアトピー

油 が、アトピー・喘息・花粉症の原因となるしくみ

肉の脂肪」、「油を変える」、「魚について」の各ページで、

  • 「αリノレン酸」 が、アトピー改善には良く、
  • リノール酸」 や、 肉に含まれている 「アラキドン酸」 は悪い、
    ということを説明してきました。

このページでは、
なぜ、アトピー改善のために脂肪(油)の取り方が重要なのか、
必要なビタミン・ミネラルはなにか、についてご説明します。

 アトピー・喘息 と プロスタグランジン

食事から取った「脂質」 が、私たちの体の中でどう転換され、
アトピーとどうかかわってくるのかを示したのが下図です。


   脂肪酸の代謝、アトピー性皮膚炎・喘息と食事


まず、左側の流れから見てください。
EPA、DHA があります。
魚に含まれる脂肪酸で、「頭を良くする」 「血液をさらさらにする」などで有名です。
魚を食べた時はもちろんそのまま使われますが、
「αリノレン酸」の油を取った時も、体の中で転換し、EPA、DHAがつくられます。

そして、EPAから 「プロスタグランジンE3」 がつくられます

「プロスタグランジン」 って、あまり聞いたことがないと思いますが
ホルモンのように体の調節をするために働く物質です。
特定の器官や腺からの分泌ではなく、「細胞」内でつくられ、体内の情報伝達や
血管や筋肉の収縮・拡張をはじめとした体内バランス調整の働きをしています。

「プロスタグランジンE3」 は、IgE抗体の産生を抑制するなど
アトピー改善効果を持っています。

では、右側の流れです。
「アラキドン酸」 から 「プロスタグランジンE2」 がつくられます。
これは、Th2を増加させ、IgE抗体の産生を促進するなど
アトピー性皮膚炎や喘息を生み出す作用を持ちます。

基本的には、「プロスタグランジンE3」 と 「プロスタグランジンE2」 が強い対抗関係にあり、
通常はバランスが取れ、アクセルとブレーキの役割を果たしています。

両方とも不可欠なんですが、バランスが崩れるとアトピーを引き起こすことになります。

つまり、 「E2」 過剰、 「E3」 の不足、 がアトピーの原因であり、

それは、
    肉・乳製品 (アラキドン酸) の過剰
    魚 (EPA) の不足、

    「リノール酸」 系の油の過剰、
    「αリノレン酸」 の油の不足、
ということです。

ですから、アトピーを治す基本は、

  • 肉・乳製品は極力、減らす。
  • リノール酸の油は、使わない。
  • 魚を食べる。
  • αリノレン酸、EPA を積極的に取る。

 (しそ油亜麻仁油をドレッシングなどに使い、
  EPA、しそ油のサプリメントを飲む)

ということになります。

 酵素(こうそ)・ビタミン・ミネラル をしっかり取る!


 
上の図のような代謝や転換は、酵素やビタミン、ミネラルがあってはじめて行われます。
酵素・ビタミン・ミネラルがなければ、なにも起こりません。

体の活力やバランスが失われるということになります。

脂肪酸の代謝には、
酵素(こうそ)、ビタミンC、ビタミンB6、ナイアシン(ニコチン酸アミド)、亜鉛、マグネシウム
などが必要です。

つまり、アトピー改善も、これなしには進みません。

  ・ビタミンC
  ・ビタミンB6
  ・ナイアシン (ニコチン酸アミド)
  ・亜鉛
  ・マグネシウム
      は、不可欠です。

 温野菜 をたっぷり食べ、酵素・ビタミン・ミネラルをたくさん取ってください。

 (高温加熱料理では、酵素はなくなり、ビタミンの多くも消失してしまいます。)

 ( ビタミンC や ビタミンB系 は、水溶性ですから、サプリメントで補うのもOKです。)

 

            肉・乳製品を 「減らし」、 温野菜をたっぷり食べる。
                  αリノレン酸、EPA を取り、
                  リノール酸の油を 「やめる」。
        ビタミンC、B6、ナイアシン、亜鉛、マグネシウム をしっかり取る。
              これを徹底して、アトピーを治しましょう!



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